「新たに設立される企業一〇〇社のうちほぼ七五社
が,マネジメントの失敗を主たる原因として五年以内
に倒産している。」
創造する経営者P155
いわゆる中小企業生存率というものです。
100社のうち75社が倒産というと高い確率ですね。
このデータは,おそらくニューヨーク大学教授の
時代にとった統計と思われます。
では,このデータが日本でも当てはまるのか?
ガセだという意見と肯定的な意見の両方です。
ガセだという意見は,日本政策金融公庫などの統
計だと5年以内生存率は,7割から8割なので,
100社のうち25社しか生存できないとするデー
タと大きく異なります。
肯定的な意見としては,飲食店の廃業率です。
これだと100社のうち25社しか生存できないと
いう確率に,ほぼ近いのではないでしょうか?
これには根拠があると思います。
店舗の不動産契約期間は概ね3年から5年です。
この間に業績が悪ければ家賃の更新料を払うまで
もなく,撤退するというのは理に適っています。
そして厨房設備自体の寿命が10年ほどです。
業績不振であれば当然のことながら更新するはず
もなく撤退ですよね。
もちろん,飲食店の撤退が必ずしも倒産と結びつ
くわけではありませんが,飲食店自体の5年以内
の生存率は低いといわざるを得ないのではないで
しょうか?
最近は,飲食店のような初期投資が大きい業種で
はなく設備投資をさほど必要としないネット関連
の起業が多いので,起業してから5年以内の生存
率は上がっていくかもしれません。
5年以内の生存率をどう捉えるかについては,参
入しようとする業種や起業家の性格によって,ど
のデータを活用するかを考えればよろしいのでは
ないでしょうか?
悲観的すぎる人は,平均して7割から8割生き残
るから自分も大丈夫だと勇気を持てばいいと思い
ます。
あまりにも楽観視すぎる人は100社のうち75社
が倒産するのだから自分の起業プランに落ち度が
ないかをいま一度考える機会を持てばいいのだと
思います。
いずれにしろ,こうした厳しい競争を勝ち抜くに
はどうすればいいのでしょうか?
ヒト・モノ・カネが充分あれば大丈夫でしょうか?
もちろん有利であることには間違いありません。
しかし,ヒト・モノ・カネが全てであれば,大手
飲食チェーンの店で閉店するような店はないとい
うことになりますが,実際には閉店しています。
大手飲食チェーンですら5年以内の閉店率は結構
高いのです。
そこで冒頭のマネジメントの失敗によって倒産す
るという指摘がいきてきます。
つまり,ヒト・モノ・カネではなくマネジメントの
失敗によって倒産するということです。
マネジメントの失敗は,ヒトモノカネの不足より
罪が重いということになりますね。
マネジメントの失敗でもっとも深刻なのが差別化
の失敗です。
差別化によって固定客をいかにつなぎとめるかです。
大手飲食チェーンの画一的なサービスに対抗する
には,差別化しかないといっても過言ではないで
すね。
しかし,あまりにも多くの人がヒト・モノ・カネに
夢中になっているような気がします。
ダメなのは人材があつまらないから…
ダメなのは立地が悪いから…
ダメなのはカネがないなら…
たしかに,この3要素を無視することは出来ません。
しかし,これが全てではありません。
大手飲食チェーンでも閉店する店があることが証
明しています。
大手飲食チェーンは人材が集まるし,比較的立地
も良く,お金もあります。
ヒト・モノ・カネの3要素は,無視出来ませんが,
我々が考えるほど重要ではなく,あくまでも二義
的な要素にすぎないといえないでしょうか?
固定客が,まるで自分の家でお酒を飲むように,
何もいわなくても好みの酒と手料理がサッと出て
くる。
簡単かもしれませんが,これが差別化でありマネ
ジメントの第一歩です。
さて,あなたが上手くいかないのはヒト・モノ・
カネのせいでしょうか?
それとも,マネジメントのせいでしょうか?
拙者もあんまり偉そうなこと言えませんし耳の痛
い話ですが,じっくり考えてみる必要がありそう
です。
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