「優先順位の決定が,よき意図を成果を上げるコ
ミットメントへと,洞察を行動へと具体化する。優
先順位の決定がマネジメントの視点と真摯さを語
る。そして優先順位の決定が,基本的な行動と戦略
を規定する。」
創造する経営者P267
優先順位の決定は重要ですね。
しかし,これほど我々の判断を悩ませるものはあ
りません。
特に短期的な問題と長期的な問題のバランスを取
るほど難しいものはありません。
しかも,われわれは,本質的に長期的な問題を扱う
のは得意ではありません。
例えば,次の二者択一を迫られたとします。
今日1000円もらう
今日から2週間後に1100円もらう
多くの人が,今日1000円もらうことを選択する傾
向があります。
2週間後に何が起きるかわからないからです。
長期的な判断にはリスクと不確実性がつきまとい
ます。
なるべく安全なところに身をおくのは生存本能で
すから,リスクと不確実性がつきまとう長期的な
思考よりも,安全で確実な今を優先するわけです。
しかし,それでは本能に任せて行動しているに過
ぎません。
われわれの成果は差別化によって得られます。
それゆえ,本能や惰性に任せて判断している限り
差別化は出来ません。
しかし,こうした判断はいってみれば,生存本能に
反するわけですから,決断が難しいのです。
優先順位の決定には,われわれの生存本能に反す
る決断が多く存在します。
長期的な問題と短期的な問題を一例にあげました
が,それ以外にも,本来なら,やめなければいけ
ないものを温情や愛着で,優先順位の高いものに
位置づけることもよくあります。
温情や愛着がなければ,子孫を残すことは出来ま
せんが,ビジネスは,違います。
しかし,われわれは,温情や愛着のあるものを手
放すことに対して,本能的な葛藤を感じ,合理的
で妥当な判断をすることを困難にします。
さて,あなたが下した優先順位の決定は,すんなり
決まるような,簡単なものだったでしょうか?
それとも,本能的な葛藤と戦った苦渋の決断だっ
たでしょうか?
即断即決も場合によっては,重要ですが,腰を落
ち着けて,じっくり考えることも大事ではないで
しょうか?
即断即決は,なんかイメージが良くて,優れた
リーダーの象徴のように思います。
もちろん,我々が本能的に不得意な決断である
長期的な判断や温情や愛着のあるのもを手放す
決断を即断即決できるなら,大したものです。
しかし,そのような決断を即断即決できるような
才覚を備えていない人が,圧倒的な多数を占めて
いるといっても,過言ではありません。
優先順位の決定は,即決できるようなものでは
なく,苦渋に満ちた決定でなければ,ほんとは
おかしいと思います。
さて,あなたの下した即断即決は,本当に正しい
決定だったといえるでしょうか?
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