2023年11月30日

事業に我が子のような愛着を持つのは危険

「老廃物は捨てなければならない。人の身体はそ
うしている。ところが,組織では強い抵抗が出てく
る。容易ではない。」
ネクスト・ソサエティP132

老廃物を捨てることは簡単なのに,組織の老廃物
を捨てることには抵抗があるということですね。

自然の摂理としての生理現象は無意識のうちに行
えるものですが,人間がつくったものを廃棄する
ためには,生理現象ではないだけに,そう簡単に出
来るものではないということでしょう。

この辺の抵抗は,人間がつくったものには愛着が
わくということから来ていると思われます。

人間がつくった最たるものは,自分の子孫です。
子孫を見込みが無いからといって,簡単に見捨て
てしまったら,後世に遺伝子を残すことは出来ま
せん。

しかも,自分自身の加齢とともに,子孫を残すため
に必要とされる時間は,どんどん短くなっていき
ます。

それだけに,自分の命を引き換えにしても守ろう
とするわけですね。

しかし,事業は自分の子孫ではありません。
見込みが無いからという理由で,廃棄しても,資金
がある限り次があります。

ましてや,自分の命を引き換えにして守ろうとす
るだけの価値があるのかすら疑わしいものです。

ところが,まるで子育てのように,見込みのなくな
った事業に執着しようとするのは,ある意味滑稽
なのかも知れません。

やはり,人間の子育ての論理が本能的に支配して
しまうということなのでしょうね。

特に,定年まで残り時間が少ない人にとっては,功
績を残すラストチャンスと思ってしがみつくとい
うのも無理もないのかも知れません。

次から次へと優秀な人材が入ってくる大企業であ
れば,大きな失敗をしたら二度とチャンスが回っ
てこなくなり,次の時代を担う若手にチャンスを
与えることになるかもしれません。

会計的に,投資判断で,初期投資はサンクコスト
(埋没原価)として無視し,廃棄すべきであると
いう答えが出ても,なかなか納得が得られません。

大企業の不祥事も根源はこの辺にあるように思い
ます。

しかし,組織は子孫を残すことが目的ではありま
せん。

組織に子育ての論理を持込み抵抗するというの
は,ある意味公私混同といえるかも知れませんね。

もっとも,組織が大きければ大きいほど,組織に
子育ての論理が蔓延してしまうのかも知れません。
あなたの組織は大丈夫でしょうか?

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Posted by ohbayashiblog at 11:30│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 成果をあげる人・あげない人 

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