2012年10月01日

人事の打率は何割で成功なのか?

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ドラッカーの名言から,成果をあげる人・あげない人の違いを探ります!
現代社会最高の哲人の言葉で,成果をあげる習慣を身につけましょう!

本業は税理士なのですのが,ある時期,年間100名ほど面接した経験が
あります。

それなりに,人を見る目があるという自尊心がありましたが…
次の一節で,その自尊心を見事に打ち砕かれました(苦笑)

「『人を正く判断できる者はいない。』少なくともこの世にいない。し
かし問題は,人事の決定を真剣に考え,最善をつくすべく努力をする者
が少ないということである。」
マネジメント・フロンティアP144

出だしの『人を正く判断できる者はいない。』の部分
人を見る目があると相当自信のある人は,違和感を抱くかも知れません。

もちろん,その人が健康かどうか?
そして,学力を判断することは簡単です。
性格的な面も,周囲の評判から,かなりの部分がわかるかも知れません。

もし,単純な肉体労働なら,体格が良く健康な人であれば,間違いは少
ないと思います。

しかし,多くの単純な肉体労働が機械へ転換してしまいましたし,先進
国で餓死が非現実的になったことから,奴隷のように扱うと労働者は
簡単に他の職場に移ってしまいます。

また語学力を必要とする仕事なら,学業成績で語学力を判断することが
できます。
ところが,最近は単純な語学力を必要とする仕事は少なくなりました。

肝心なのは,赴任先の社会に溶け込む能力です。
これは,学業成績ではわかりません。

語学力が優秀でも,赴任先の文化や衛生面が気になって溶け込めない人
が意外と多いのです。

そして,成長著しい途上国では英語が通じないことが多く,しかも現地
社会で話されている語学に通じているかどうかを判断する材料は,英語
のように充実していません。

また性格的に温厚だということがわかっても,ただいわれたことを淡々
とこなす人では,部下としては良いかも知れませんが,いずれ会社の屋
台骨を担って欲しいと考えると役不足と感じるのではないでしょうか?

自分は人を見る目があるといっても,判断できるのは,健康面や学力,
性格的なものぐらいだということです。

ところが,これらがわかったからといって,いま求められている仕事に
適用できるかどうかという点においては,ほとんど関係ないということ
になるんですね。

「人を正く判断できる者はいない。」というのは,奴隷的な仕事と奴隷
のように扱うことが許された時代においては,ノーと言えたのかも知れ
ませんが,そのようなことが許されない時代においては,やはりイエス
と言わざるを得ないと思います。

それゆえに,必要とされるのが「人事の決定を真剣に考え,最善をつく
すべく努力をする者」です。

ところが,健康面,学力,性格面で人を判断しても,なんとか仕事をこ
なせる時代があったので,人を判断することに重点を置き,「人事の決
定を真剣に考え,最善をつくすべく努力をする」ことを怠ってしまうこ
とが起きてしまっているということなのでしょうね。

では,「人事の決定を真剣に考え,最善をつくすべく努力をする」ため
には,どうしたら良いのでしょうか?

「ある人間を仕事につけた結果,その者が成果をあげなかったならば,
それは私が間違ったのである。」
マネジメント・フロンティアP144

まずは,人事の失敗を部下の責任に押しつけたり,新規に採用した人間
を責めてはいけないということです。

やはり,採用時はどうしても健康面,学力,性格面で判断せざるを得な
いと思います。

しかし,それらは成果をあげることと全く関係がないということを知って
いるか知っていないかで大きく違うと思います。

採用時の判断と仕事の成果に因果関係があると信じて疑わない人は,ミ
スを部下に責任を押しつけたり,人を責めたり,自分が見る目がなかっ
たと嘆くことになると思います。

それは,結局,人の弱みしかみていないということです。
「人のできることは何も見ず,できないことはすべて正確に知っている
という者は組織の文化を損なう。」
現代の経営上P219

期待はずれに終わっても,人のできることをよく見て配置転換をまず考える
ということですね。

次に大事なのは,人ではなく仕事そのものに原因があるのではないかと疑
うことです。

「仕事というものは,力をつくして努力する普通の有能な人材が,成果
をあげられるものでなければならない。この条件をみたせないようなポ
ストをつくって人をはりつけるべきでなない。」
マネジメント・フロンティアP153

このように考えると,人事の失敗の多くは,上司に見る目がなかったで
済ませてしまうだけでは,あまりにも無責任だということですね。

少なくとも,このような姿勢だと同じ失敗を何度も繰り返してしまうで
しょう。

「人事の打率は三割といったところである。正しい人事は多くて三分の
一であり。ようやく許容しうる人事が三分の一であり,残る三分の一は
まったくの失敗である。」
マネジメント・フロンティアP143

人事の打率は,期待はずれに終わることが多いとはいえ,「人事の決定
を真剣に考え,最善をつくすべく努力をする」視点にたてば,人事の打
率もあがってくるのではないでしょうか?

「できるだけ一〇割に近い打率はあげるように努めなければならな
い。」(マネジメント・フロンティアP143)ということからして,われわ
れの多くが健康面,学力面,性格面に囚われた人事を乗り越えないといけ
ませんね。

さて,あなたは,見る目がなかったで終わる人事から,一〇割に近い打
率の人事へ挑戦しているでしょうか?
それとも,上司や同僚の相性の方が気になりますか?

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Posted by ohbayashiblog at 08:17│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 成果をあげる人・あげない人 

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