2013年10月15日

ITは成果をあげるツールになり得るか?

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ドラッカーの名言から,成果をあげる人・あげない人の違いを探ります!
現代社会最高の哲人の言葉で,成果をあげる習慣を身につけましょう!

「効率とは仕事の仕方であり,成果とは仕事の適切さである。」
マネジメント上P52

業務を効率化するツールは山ほどあり日々進化しています。
ところが成果を出すということは,人間的な要因であるために画期的な
ツールがあるわけではありません。

もちろんITは日進月歩で進化していますが,成果をあげるツールでは
ありません。

「今日のところ,ITは,トップ経営陣に対し,情報ではなくデータを供給
するにすぎない。新しい問題意識や新しい経営戦略を与えるにはいた
っていない。」(明日を支配するものP112)ということです。

もしかしたら,近い将来,ITが成果をあげるツールになりうるかも知れ
ませんが,そのためには,仕掛けが不足しているように思います。

なぜなら,成果をあげるためには,意思決定をしなくてはいけません。
しかし,意思決定をするかしないかは,人間の行動力にかかっています。

特にやめるかやめないかの決定は,勇気がいるだけに,データを目にし
たとしても,直ちに行動できるとは限らないのです。

行動を起こすためには,怪しい宗教のようにヘッドギアをつけて,ITが
正しい意思決定だと判断したら,人間の脳に実行をを促すように電気的な
刺激を与えることが出来たとしたら,ITは成果をあげるツールになる得る
のかも知れません。

しかし,それが出来たとしても,そのような苦痛に我々の肉体と精神が
耐えることが出来るかどうかわかりません。
もしかしたら,いま以上に自殺者が増えるかも知れません。

ITが成果をあげるためのツールになるためには,相当高いハードルを越え
なくてはいけないということです。

そして,もう一つ忘れてはいけないのが知識労働の時代になったという
ことですね。

知識労働の成果は,差別化です。
ところが,われわれがこれまでやってきた労働は肉体労働でした。

肉体労働の成果は,「「より多くを生産するための唯一の方法は,より長
く働かせるか,より懸命に働かせるかだった。」(ポスト資本主義社会
P44)とあるように,仕事の効率をあげれば自動的に成果が約束された
ということなのです。

もしかしたら,これが誤解の原因になっているのかも知れません。
仕事をマニュアル化し,効率をあげれば必ず成果があがるというのは
あくまでも,日常の繰り返し仕事の分野です。

ファーストフードの社員教育で強みを発揮する分野ですね。
しかし,それで業績が保証されるのかというとそうではないというのは
ご承知のとおりです。

期間限定のメニューを投入したり,店舗の再編などの意思決定をして,
差別化することで業績があがるわけですね。

その辺の区別をキッチリしておかないと「無駄な仕事を見事に設計する
という結果になりかねない。」(マネジメント上P255)という悲劇が起き
てしまうわけです。

特に,肉体労働の中心に世の中が回っていた時代が人類の歴史の99.9%
を占めていたわけですから,効率をあげれば業績があがるという単純な
発想をしてしまう習性があるように思えるのです。

それだけに,「効率とは仕事の仕方であり,成果とは仕事の適切さであ
る。」という言及は単純ですが,実は奥が深いといえないでしょうか?

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2013年10月07日

満足させることによって定義する

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ドラッカーの名言から,成果をあげる人・あげない人の違いを探ります!
現代社会最高の哲人の言葉で,成果をあげる習慣を身につけましょう!

「いずれの企業も,自らの市場は狭く定義する。『顧客が価値を見出す
ものの市場』ではなく,『わが社の生産する製品の市場』として定義す
るためである。」(マネジメント下P142)

この言及にあるように,お客様の要求にあわせるよりも,自らの実力を
世に問う型になる傾向があるようです。

飲食店であれば,ウチは他のどの店よりも味にこだわっています。
小売店であれば,ウチの商品はどこよりも安い。

製造業であれば,こんど出る製品は画期的な技術が採用されているとい
う文言です。

表現こそ違えど,自社の製品または商品を主人公にモノを考える傾向が
あります。

ところが,お客様にとっては味よりもボリュームにこだわりがあるかも
知れません。

特に,学生街であれば,店主が味にこだわってもボリュームで負けたら
終わりです。

また,お客様は安さよりもアフターサービスにこだわりがありかも知れ
ません。
特に富裕層や高齢者が多い地域では,その傾向が強くなります。

製品も保守的な客層が多ければ,画期的な技術はトラブルが多くランニ
ングコストの方を気にするかも知れません。

自社の都合とお客様の都合が一致することは,めったにないと思ってい
た方が良いかも知れません。

ところが,自社を中心にモノを考える習性を人間が持つがゆえになかな
か上手くいかないのです。

そもそも,人間の歴史は戦争の歴史でした。
自分と血縁の深い組織が繁栄すれば,自己の遺伝子を後世に残すことが
出来るので,他の組織は常に敵であり抹殺するか追い払うかでした。

少なくとも大量殺戮兵器が登場し,多大な犠牲を払うよりも交易の方が
有利であると理解する20世紀後半まで,人間は常に自己の属する組織の
繁栄が第一であり他の組織にあわせるというのは,二義的な意味しか持
たなかったわけです。

自分の属する組織を中心として世の中が回るという思考回路を少なく
とも有史以前から持ち続けているがゆえに,他者との関係を中心にモノ
を考えるということを不得手とするのは,ある程度仕方ないのかも知れ
ません。

しかしこれでは,誰もが自社中心にモノを考える習性を持つがゆえに,
差別化することが出来ないのです。

差別化するためには,少なくとも不得手とする他者との関係を中心にモ
ノを考えていくしかありません。

既に先進国では余剰食糧があり,資源に関しては多少の摩擦はあるもの
の交易を中心に世の中が回っている時代になっているのです。

モノ余りの時代には,縄張り争いではなく差別化によって成果をあげる
必要があります。

すなわち,『わが社の生産する製品の市場』ではなく,『顧客が価値を
見出すものの市場』として事業を考えていかなくてはいけないわけですね。

しかし,人間の本質的な習性とは反するがゆえに,予防策を講じておかな
いといけません。
その一つが事業の定義です。

「事業は,社名や定款や設立趣意書によって定義されるものではない。顧客が
財やサービスを購入することにより満足させることによって定義される。」
(マネジメント上P99)

例えば,航空会社の事業の定義は,航空機で人を運ぶでいいのかという
ことです。

これだと,「『わが社の生産する製品の市場』として定義」しているこ
とになります。

「われわれは,安全で快適な移動空間を提供する」
少なくとも利用者としては,だだ空を飛ぶだけじゃ満足しません。

無事に目的地に到着するという安全性と狭い機内という制約があるにしろ,
快適な移動空間を求めていますよね?

では,オフィス用ソフトウェアの販売会社の事業の定義は何になるでし
ょうか?
われわれは,最先端のソフトウェアを提供するでいいでしょうか?

たしかに,時代遅れのソフトウェアを売りつけられたら困ります。
しかし,本当に満足するのは,ソフトウェアを導入することによって,
業務効率が良くなることではないでしょうか?

「われわれは,業務の生産性を改善します」ぐらいの文言が欲しいとこ
ろです。

こんな風に考えると,ほとんどの会社が事業の定義がないか,あったと
しても間違っていることが多いのではないでしょうか?

少なくとも人間が自分が属する組織の都合を第一に考える習性が
あるゆえに,事業の定義は,少なくとも人間の悪しき習性に対抗
するものでなくてはならないということです。

さて,あなたの会社は大丈夫でしょうか?

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Posted by ohbayashiblog at 09:03Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック