2013年11月25日

人の成長に手を貸す

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ドラッカーの名言から,成果をあげる人・あげない人の違いを探ります!
現代社会最高の哲人の言葉で,成果をあげる習慣を身につけましょう!

「人に教えることほど自らの勉強になることはないのと同様,人の自己
啓発を助けるほど自らの自己啓発に役立つことはない。事実,人の成長
に手を貸すことなく自らが成長することはありえない。自らの自らに対
する要求水準が上がるのは,人の成長に手を貸すときである。」
マネジメント中P68

「人の成長に手を貸す」こと,これがドラッカーの著作でよく取り上げ
られる貢献をいい現わしたものです。

弱肉強食の世界で生きていくのなら,自分の親族以外の他人の成長に
手を貸す必要はありませんでした。

むしろ,他人を蹴落として,わずかな食糧を食いつぶしていかないと餓
死してしまったハズです。

異民族と出会ったら,戦うというのが人類の影の歴史といえるかも知れ
ません。

「人の成長に手を貸す」必要に迫られたのは,組織社会になってか
らでしょう。

少ない食糧を奪い合うのではなく,人が協力して土地を耕すことで,食
糧のパイを増やしていくことを目指すようになったからだと思われます。

食糧が安定供給されると,人間とは不思議なもので,マズローの欲求5
段階説からいうと認知欲求,自己実現欲求が芽生えてきます。

「人の成長に手を貸す」ことによって,認知欲求に芽生え,責任という
ものが生まれてきます。

責任とは,「自らの自らに対する要求水準が上がる」ことをいいます。
すなわち,自己実現欲求を満たしていこうとするわけです。

こうした貢献と責任が,認知欲求や自己実現欲求といった高い次元の欲
求を満たしていくことになるのですが,意外とこうしたことが軽視され
ているか,お粗末な状態になってきてはいないでしょうか?

既に,われわれは餓死することは基本的にありません。
衣食住もある程度満たされています。
そして,お金も…

少子化時代の反動でしょうか?
親の財産は,兄弟に邪魔されずにある程度自分のものになります。

それにも関わらず,賃金体系だけで社員のやる気を出すことを考えたり,
会社の規模や知名度だけで就職することを煽る風潮がなかなか消えま
せんね。

そういうことにシラケてしまっているのが,ニートの存在なのかも知れ
ません。

われわれの社会でいま求められているのは,マズローの欲求5段階説で
いうところの認知欲求なり,自己実現欲求です。

これは,自分ではなく「人の成長に手を貸す」によって実現されるもの
なのです。

にも関わらず,「人の成長に手を貸す」チャンスも,自分ではなく人と
関わることで,「自らの自らに対する要求水準が上がる」体験もほとん
どないまま社会に出てしまうような仕組みになっている気がします。

人が羨むような学歴を持ちながら,社会に出ると鳴かず飛ばずになって
しまうのも,これまでは試験という自分との戦いだったのが,「人の成
長に手を貸す」によって成果をあげる知識労働社会に環境が急変したこと
についていけないのかも知れません。

自分になにが出来るのかで成果を測る学歴社会から,自分が他人
に何をしてあげられるのかによって,成果をあげる知識労働社会
への対応にわれわれは,まだ優れるに至っていないのかも知れませんね。

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Posted by ohbayashiblog at 10:32Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2013年09月30日

専門化と多角化のバランスを考える

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ドラッカーの名言から,成果をあげる人・あげない人の違いを探ります!
現代社会最高の哲人の言葉で,成果をあげる習慣を身につけましょう!

「いかに集中が望ましくとも,多角化との調和が必要である。さもなけ
れば過度の専門化に陥る。同時にいかに多角化が望ましくとも,あるい
は避けがたくとも集中が必要である。さもなければ分裂と分散に陥る。
単純さと複雑さはともに必要である。単純さと複雑さは事業を反対の方
向に引く。この二つを対立させてはならない。調和させなければならな
い。共通の軸によって多角化を一本化させることこそ,トップマネジメ
ントの仕事である。」
マネジメント下P132

いきなり難題をふっかけられてしまいました。
「成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば,それは集中であ
る。」(経営者の条件P138)とあるように,集中は大事なことです。

なぜなら,集中することが出来る人が少ないがゆえに差別化できるから
です。

平常時には,人は放っておくとあらゆることを少しづつ出掛けます。
いろんなことを手がけることは,一方がダメでも片方は大丈夫という
ようにリスク回避ができるからです。

もし,我々のタンパク源が牛肉だけだったとしたら?
あるいは,鶏だけだったとしたら?

我々はBSEや鳥インフルエンザで餓死寸前まで追い詰められたことでし
ょう。

あらゆる食材を少しづつ摂取する雑食性は,餓死するリスクを回避する
ために不可欠な生き延びるための知恵です。

皮肉なことに,われわれが経済的な活動をする上においても,リスク回
避の行動を取るわけですね。

業績のカギは集中であるにも関わらず,人間の本質的な思考回路が集中
を許さず,あらゆることを少しづつ手がけるリスク回避の行動をとるわ
けです。

こうしたリスク回避の行動を打破し,集中できた者がその他大勢から抜け
出し,差別化に成功するわけなのですが,人間には,もう一つの本質的な
思考回路が作用します。

それは,将来のことを軽んじ,目の前の事象に対して場当たり的な行動
をとるという性質です。

言い換えると,いま起きている問題に対して,「今でしょ!・笑」という
感じで集中し,これから起きる将来はほとんど考えない過度の集中をする
わけです。

平常時には集中すべきところをあらゆることを少しづつ手がけるリス
ク回避の行動をとり,いざ問題が起きた非常時には,将来のことも考え
ないといけないのに,目の前のことだけに集中するという過度の集中が
みられるわけです。

もっとも,狩猟採集生活を長くやってきた人類が獲物と格闘している最
中に,獲物を将来どうやって分配するかを考えていたら,獲物を仕留め
る前に,自分が命を落としてしまいます。

目の前の獲物だけに集中するという行動もまた,生き延びるための知恵
なんですね。

ところが,いまでは狩猟採集ではなく知識労働で,経済的な業績をあげる
ことが求められています。

獲物と格闘している最中でも,獲物をどうやって仕留めるかを考えると
同時に,どうやって獲物を分配するかも同時に考えないといけないわけ
ですね。

ところが,それは人間の本質的な能力と少々異なるがゆえに,工夫を用い
ないと上手くいかないわけなんです。

「共通の軸によって多角化を一本化させることこそ,トップマネジメ
ントの仕事である。」とあるように,共通の軸

すなわち,事業の定義によって人間の本質的な場当たり的な行動を経済
的な成果をあげる行動に仕向ける必要があるわけです。

そのためには,事業の定義の明文化と周知徹底が求められるというわけ
です。

さて,あなたの手がけている仕事は切迫した状況における過度の集中に
なっていないでしょうか?

それとも,のんびりした状況におけるあらゆることを少しづつ手がける
仕事になっていないでしょうか?
ちょっと考えながら仕事をしていかないといけませんね。

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Posted by ohbayashiblog at 08:31Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック