2020年05月15日

判断の軸にブレはないか?


「事業のマネジメントは,いかに経営学が健全で
あり,いかに経済分析が慎重であり,いかに諸々の
手法が優れていたとしても,常に人間的な要因に
戻る。」
現代の経営上P129

人間が必ずしも合理的に行動するわけではないこ
とを示唆していますね。
人間には認知バイアスがあります。

確実に500万円もらえる投資と50%の確率で1000
万円もらえるが,50%の確率で何ももらえない投
資だと,多くの人は確実に500万円もらえる投資
を選びます。

必ず100万円損する投資と50%の確率で200万円
損するが,50%の確率で何も失わない投資だと,
多くの人は50%の確率に賭けます。

しかし,人間がほんとうに合理的であれば,確実に
500万円もらえる投資を選んだのであれば,必ず
100万円損する投資を選ぶべきです。

なにしろ,賭けに負けたら100万円の損失どころ
か,200万円の損失を被るわけですからね。

逆に200万円の損失を被る覚悟があるならば,50%
の確率で1000万円もらえる賭けに参加すべきな
のです。

しかし,多くの人間は得をする話は保守的になり,
損する話は投機的になります。

判断の軸がブレまくるわけですね。
損をすることと死ぬことは意味が違います。

しかし,人間は損というイメージが入力されると
死を避けようとする本能のスイッチが入るのでは
ないかと思われます。

合理的であろうとなかろうと,死を避けるのと同
じように損を回避するように行動します。

それが,結果的には,経済的な死を導く結果になっ
てもです。

手塩にかけた事業であっても,収益の足を引っ張
っているのであれば,廃棄すべきですが,ずるずる
と引きずって手遅れになるのも,バイアスの影響
が大きいですね。

「いかに経営学が健全であり,いかに経済分析が
慎重であり,いかに諸々の手法が優れていたとし
ても」都合のいい情報には耳を傾け,都合の悪い情
報にはフタをするわけです。

正しい決定を下したつもりで,実は全く合理的
ではない決定になっている可能性があるという
ことですね。

経営学や経済分析や諸々の手法は,合理的な判断
を手助けする道具に過ぎないということです。

耳が痛いですが,ドラッカーの書いていることを
知識として知っていても,正しい判断を下せるか
どうかは,話は別ということです。

知識はあっても,それをいかすも殺すも人間次第です。
もちろん,運不運もありますけれども…

判断を下すときは,常に,何かに惑わされていないか?
本能(認知バイアス)にまかせて判断をしていない
かを考える必要があるということですね。

判断の軸が,その都度ブレまくるようでは困るの
です。

なかなか難しいことですが,重要な判断を下す
ときは慎重でありたいものです。

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Posted by ohbayashiblog at 17:08│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 成果をあげる人・あげない人 

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