2019年06月28日

知識労働者が成長する条件

「人,特に知識労働者というものは,自らが自らに
課す要求に応じて成長する。自らが成果や業績と
みなすものに従って成長する。自らに少ししか求
めなければ成長しない。多くを求めるならば何も
達成しない者と同じ努力で巨人に成長する。」
経営者の条件P97

大きな目標を掲げた者は,小さな目標を掲げた者
よりも,成功するということですね。

ある意味,これは人間の本能的なものと言えるか
も知れません。

心理学の有名な実験で,国連にアフリカ諸国が占
める割合は,何%かという問題で,ヒントとして,
65%よりも高いかそれとも低いか?と問われたグ
ループと,20%より高いか,それとも低いか?と
問われたグループとでは,65%と問われたグルー
プの方が,より高い数値で答えたというものがあ
ります。

正解は,約25%なのですが,より大きな数字をヒ
ントをあたえらると,それに引きずられてしまう
ということですね。

心理学でいうところのアンカー効果です。
「自らに少ししか求めなければ成長しない。」とい
うのも,まさにアンカー効果のなせる技と言えな
いでしょうか?

人間の習性であるアンカー効果をうまく利用する
のであれば,やはり,大きな目標を掲げることは,
理にかなっているわけですね。

与えられた数字に引きずられるというのは,推測
の域を出ませんが,人間が厳しい生存競争を生き
延びるために備わったものだろうと思います。

例えば,貯蔵した食糧が,あと3日しか持たない
となると必死になって狩りをしなければ,いけま
せん。

逆に食糧がひと月分あるとすると,少し余裕をも
って体力の消耗と危険を回避しながら,日々を過
ごすことが出来ます。

もし,食糧が何日分かるかというデータに人間が
無頓着だったとしたら,生存競争に打ち勝つこと
ができませんよね?

与えられたデータによって,無意識のうちに行動
パターンを変えることが出来たからこそ,人間は
今日まで生き延びることが出来たといえないでし
ょうか?

そうであるならば,人間が本能的に持っている習
性をうまく活用しないと損だということですね。

ところが,食糧のように死活問題であれば,別で
すが,死活問題に直結しない目標については,無
頓着なのかも知れません。

経済的に成功すれば,良いに越したことはないで
すが,経済的に成功しなくても,餓死するまでに
至らないとなると,必死になって高い目標を掲げ
なくてもいいわけです。

むしろ,高い目標を掲げて,それが達成されなか
ったときの言い訳をしたくないという心理が働く
ように思います。


人間として,もっとも嫌われるのが,平気で嘘を
つく人間です。

人間が他人の嘘を見抜く能力は,さほど高くない
ように思います。

人間が嘘を見抜く能力が高くないので,それを補
うのが評判です。

あいつは,ほら吹きだ,嘘つきさという評判は,
意外と早く伝達します。

ですので,なるべく自分はほら吹きだ,嘘つきだ
といわれたくないので,自己保身のため,目標を
低く設定するようになるのではないかと思います。

そして,自己保身もまた,人間の習性です。
自己保身というは,諸悪の根源みたいな感じでい
われることもありますが,自己保身本能がなけれ
ば,人間は生きていくことが出来ません。

自然界というのは,うまく出来ていて,致命的な
負傷や心理的なダメージを受けると,残り少ない
食糧を他の仲間に分け与える方が有利と判断して,
自己破壊へ走ります。

自殺者の心理になってしまうわけですね。
他人の目が気になり心理的なダメージを受けたく
ないのであれば,楽で簡単に低い目標を掲げた方
が,高い目標を掲げで,上手くいかなかったとき
のショックを回避できます。

しかし,人として成長したいなら大いに問題あり
ということですね。

人として成長するには,アンカー効果を利用し,
自己保身の本能に打ち勝つことが出来るか否かと
いうことになろうかと思います。

さて,あなたの掲げる目標はどうなっているでし
ょうか?

やはり,大風呂敷を広げた目標を掲げるのは,恥
ずかしいでしょうか?

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Posted by ohbayashiblog at 09:37│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 成果をあげる人・あげない人 

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