2017年04月13日

人はどこまで他人を判断できるのか?

「『人を正く判断できる者はいない。』少なくと
もこの世にいない。しかし問題は,人事の決定を
真剣に考え,最善をつくすべく努力をする者が少
ないということである。」
マネジメント・フロンティアP144

出だしの『人を正く判断できる者はいない。』の
部分ですが,人を見る目があると相当自信のある
人は,違和感を抱くかも知れません。

もちろん,その人が健康かどうか?
そして,学力を判断することは簡単です。

性格的な面も,周囲の評判から,かなりの部分が
わかるかも知れません。

もし,単純な肉体労働や事務仕事なら,体格が良
く健康な人であれば,間違いは少ないと思います。

しかし,会社の命運を決めるような仕事は,体格
が良く健康であることに越したことはないです
が,それだけでは,判断できません。

また,学歴やこれまでの経歴も参考にはなります
が,仕事ができることを保証するものではありま
せん。

そもそも人間に備わっている人を見る目というの
は,健康かそうでないか?
自分と似たような嗜好や考え方を持っているか?

これらは,食料事情が悪く,少ない食糧を分配す
るような狩猟採集生活における小規模な部族社会
で共同生活を営み,格闘において重要な役割を果
たすので,これを見極める能力を人間は備えてい
ます。

ところが,ある程度の組織で,知識を成果に換え
る能力という面でいうと,まったくの無意味です。


あまり健康でないけれども,一芸に秀でる人は
大勢いますが,健康かそうでないかという基準で
は,こういう人材を発掘できません。

また,自分と似たような嗜好や考え方を持ってい
るということは,仲良しクラブをつくるのであれ
ば,有効ですが,組織で成果をあげるためには,
似たような嗜好を持つがゆえに発想がマンネリ化
し,時代の変化についていけないおそれがあります。

また学歴があれば,学歴がない人よりも,語学力
を備えている可能性が高いといえます。

しかし,仕事で成果をあげるのは,語学力より
も,赴任先の社会に溶け込む能力です。
これは,学業成績ではわかりません。

語学力が優秀でも,赴任先の文化や衛生面が気に
なって溶け込めない人が意外と多いのです。

そして,成長著しい途上国では英語が通じないこ
とが多く,英語を話せるのは,エリートか観光産
業に就く人だけです。

赴任先のエリート相手に商売をするのであれば,
英語力である程度ごまかせるのかも知れません
が,一般大衆向けに商売をするのであれば,英語
力はほとんど意味がありません。

また性格的に温厚だということがわかっても,た
だいわれたことを淡々とこなす人では,部下とし
ては良いかも知れませんが,いずれ会社の屋台骨
を担って欲しいと考えると役不足と感じるのでは
ないでしょうか?

逆に性格的に温厚でない人間は,熱血漢なのか,
それともヤンキーのような粗野な人間なのかを一
瞬で判断することはできません。

自分は人を見る目があるといっても,判断できる
のは,健康面や学力性格的なものぐらいです。

しかも,これらがわかったからといって,いま求
められている仕事に適用できるかどうかという点
においては,ほとんど関係ないということになる
んですね。

「人を正く判断できる者はいない。」というの
は,単純な労働をするのであれば,ある程度正し
く判断することができるかもしれませんが,プロ
フェッショナルな仕事では,やはり人を正しく判
断することができないのではないでしょうか?

実際にプロ野球のドラフトでも,前評判どおりに
活躍できる人は,ほんの一握りです。

一般人よりも野球が上手いか下手かを判断するこ
とは出来ても,プロフェッショナルなプレーが出
来るかどうかを判断することにおいて,人間の評
価がいかにいい加減かを証明しているといえない
でしょうか?


それゆえに,必要とされるのが「人事の決定を真
剣に考え,最善をつくすべく努力をする者」です。

では,「人事の決定を真剣に考え,最善をつくす
べく努力をする」ためには,どうしたら良いので
しょうか?

まずは,人事の失敗を部下の責任に押しつけた
り,新規に採用した人間が期待通りでなくても,
責めてはいけないということです。

採用時の判断と仕事の成果に因果関係があると信
じて疑わない人は,期待通りでないと,部下に責
任を押しつけたり,人を責めたり,自分が見る目
がなかったと嘆くことになると思います。

そもそも,人間には健康かそうでないか?
概ねどんな性格なのか?

学歴やどこの出身かということ以外は判断できな
いのです。

それが,そのまま仕事に直結するという幻想を抱
いてはいけません。

たしかに,かつての仕事は,狩猟採集生活だった
ので,健康や性格といった判断基準が,共同生活
や格闘という仕事に直結しただけに,自分の判断
基準は仕事に直結するハズだという幻想を抱いて
しまうかも知れません。

しかし,現代社会に求められているのは,共同生
活や格闘ではないのです。

しかも,現代社会に求められる仕事の基準が多種
多様であるために,人間はひと目で求められる仕
事に適した人材を引き抜く能力に長けていないと
いうことを認めなければいけません。


結局,期待外れに終わったことを嘆くということ
は,人の弱みしかみていないということです。

期待はずれに終わっても,人のできることをよく
見て配置転換をまず考えるということですね。

次に大事なのは,人ではなく仕事そのものに原因
があるのではないかと疑うことです。

要求している仕事の基準が,千人に一人の人材し
かこなせないようなものであれば,後継者は決ま
りません。

また,要求した仕事で成果が出ないのは,人材が
原因なのではなく,そもそも時流にあっていない
ことが原因かも知れません。

このように考えると,人事の失敗の多くは,上司
に見る目がなかったで済ませてしまうだけでは,
あまりにも無責任だということですね。

少なくとも,このような姿勢だと同じ失敗を何度
も繰り返してしまうでしょう。

さて,あなたは,見る目がなかったで終わる人事
から,最善をつくすべく努力をしているでしょうか?

それとも,上司や同僚の相性の方が気になりますか?

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