2017年04月03日

損得の問題と生死の問題

「業績をあげる際には,間違いや,失敗さえも許
される。いや,許され るべきである。だが,業
績をあげる際に許されないのは,自己満足と低い
業績基準である。」
マネジメント下P129

業績をあげるためには,間違いや失敗が許される
べきであるというのは よくわかりますが,なか
なか実行は難しいですね。

とくに上手くいっているときには難しいものです。
例えは,次のような問いがあったとします。
あなたは,どちらを選びますか?

ア…確実に500万円もらえる投資
イ…50%の確率で1000万円もらえるが,50%の確
率で何ももらえない投資

なんとなくアを選びたくなりませんか?
業績をあげるためには,間違いや失敗が許される
べきであるとするなら ば,イの「50%の確率で1000
万円もらえるが,50%の確率で何ももらえない投資」
を選ばなければなりません。

そして,業績をあげる際に許されないのは,自己
満足と低い業績基準であるとするならば,保守的
で安全確実な「確実に500万円もらえる投資」は,
問題ありということですね。

しかし,そうはいっても難しいことです。
確実に得をすることがわかっている場合や上手く
いっているときは, 本能的に保守的な選択をする
のが人間の本質ということになります。

あくまでも仮説ですが,人間が得する損するという
問題は,人間の脳でいうと生死を判断する分野
で解決するらしいのです。

「確実に助かる投資」と「50%の確率で助かるが,
50%の確率で死ぬ投資」というように,問題を無
意識のうちに生死に関わる問題に書き換えてしまう
可能性があるということです。

しかし,自分も競争相手も「確実に500万円もら
える投資」を選んでしまったら,その他大勢の一
員になるということですから,差別化出来ません。

「50%の確率で1000万円もらえるが,50%の確率で
何ももらえない投資」をあえて選ばないと差別化
出来ないということになります。

もちろん,全ての局面で,「50%の確率で1000万円
もらえるが,50%の確率で何ももらえない投資」を
選択するのが正しいというわけではありません。

「確実に500万円もらえる投資」を選択するのが
正しいという局面もあるでしょう。

問題なのは,われわれが,決断を迫られたときに
われわれの生存本能に負けてしまって,安易に安
全確実な選択をしたのかどうかです。

競争相手との差別化やお客様の満足度向上を意識
して安易な選択をするという誘惑に負けないよう
にしないといけません。

もちろん,そうしたリスクに耐えられるだけの体
力がなければ出来ない相談ですけどね。

とはいえ,「業績をあげる際に許されないのは,自
己満足と低い業績基準である」というのは頭で理
解出来ても,われわれの本能的な判断と相反する
ので,非常に難しいことです。

損得の問題が,どうしても生死に関わる問題と
錯覚してしまうらしいので,余程の覚悟がない
と正しい決断が出来ません。

さて,あなたの選択は,リスクを極端に避けるよ
うな安易な選択になっていないでしょうか?

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Posted by ohbayashiblog at 10:40│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 成果をあげる人・あげない人 

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