2016年06月02日

人と組織を麻痺させる仕事

「大きく設計した仕事が害をなすことはない。たとえ
害があったとしても,直ちに直すことができる。ところ
が小さく設計した仕事は,人と組織を知らぬ間に麻痺さ
せる。」
マネジメント中P34

大きく設計した仕事というのは,大手企業のように
日本全国あるいはグローバルに展開する仕事という
意味ではありません。

小さく設計した仕事というのも,中小企業が大手の
やらないニッチな分野で小さな穴を深く掘るような
仕事という意味でもありません。

ドラッカーが「イノベーションに成功するには小さ
くスタートしなければならない。」(イノベーション
と企業家精神P158)といっているようなテストマーケ
ティングの話でもありません。

ここでいうところの大きく設計した仕事とは,高い基準
を求める仕事であり,小さく設計した仕事というのは,
誰でもカンタンに出来るような無難でリスクのない低い
基準の仕事という意味でいっています。

狭く設計した仕事は,低い基準の仕事ということに
なり,停滞するということです。

人間は,無理のない程度に高い基準を与えた方が良い
結果が出ることが多いようです。

時計やGPSもない時代から,人類は,太陽の位置や潮
の満引きなどを利用して行動してきたことが知られ
ています。

人間はなんらかの指標を頼りに行動する習性が
備わっているようです。

日本の年間自殺者の数は2万人より多いか少ない
かと問われた場合と3万人より多いか少ないかと
問われた場合とでは,2万人より多いか少ないかと
問われた場合の方が自殺者の数を少なめに予測
するようです。

あきらかに,最初にいわれた数字に引っ張られて
しまうんですね。

こうした人間の習性をいい意味で利用するならば
,目標が高い方が良い結果が出るということなのです。

もう一つ与えられた数字で面白いのは,日本の年間
自殺者の数は,3億人より多いか少ないかと問われる
と,問題として成立しません。

日本の人口よりも多い3億という数字は,あまりにも
バカげた数字なのでこの数字には引っ張られないわけ
ですね。

こうした人間の習性を上手く利用するのであれば,
仕事は大きく設計しバカげていない程度にちょっと
頑張らないと達成出来ないような高い基準を設けた方
がよい仕事が出来るということです。

しかし,人間には,低い基準で満足するという事なか
れ主義的な発想も同時に持っています。

同じ獲物でも,確実に仕留められるちょっと弱った
個体を狙うという発想です。

あまりにも,強い個体を仕留めるには,反撃され命
を危うくする危険があるわけですから,リスクを
冒さずに無難な線を狙うわけですね。

大企業病ともいわれますが,人間は誰しも,本質的に
リスクを冒さず無難な線を狙う習性も持っていると
いっていいでしょう。
問題は,どうバランスを取るかです。

人間には,リスクのあるちょっと頑張らないと達成
できないような目標を与えるといい仕事が出来る
という側面をがあります。

それと,同時にリスクを冒さず無難な線を狙おう
とするという矛盾した側面を持っているわけです
から,両者のバランスを取るのは大変ですね。


この辺が,リーダースップの問題として組織の成否
をわけるように思います。

リーダーは,リスクを冒さず無難な線を狙おうと
する本能的な衝動を抑えて,あえて,リスクのある
ちょっと頑張らないと達成できないような目標に
挑戦する姿勢を見せなくてはいけないということです。

なかなか厳しいかも知れません。
厳しいからこそ,チャレンジした人間は報われるとい
うことですね。

さて,あなたの仕事は大きく設計されているでしょ
うか?

それとも無難な線を狙って小さく設計し,人と組織を
麻痺させるような仕事になっていないでしょうか?

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Posted by ohbayashiblog at 10:32│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 成果をあげる人・あげない人 

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