2010年03月18日

何もやらないという決断!


就任したその日、原田は幹部社員に向かってこう告げた。「1年間はQSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに取り組んでほしい。それ以外のことは何もやらなくていい」

あれもやりたい、これもやりたいというのが人間の性
しかし、「それ以外のことは何もやらなくていい」と言い切るのは、勇気が要りますね。

「なされるべきことはほとんど常に複数である。しかし、成果をあげるには手を広げすぎてはならない。一つのことに集中する必要がある。」
経営者の条件P4

つまり、「それ以外のことは何もやらなくていい」と言い切るのは、セオリー通りということです。
しかし、ホントは、「なされるべきことはほとんど常に複数である。」
一つでは、ダメです。

つまり、複数の課題をこなすために、優先順位とつけるということなんでしょうね。
ひとつの課題をやっつけたら、次の課題というように…

「したがって、なされるべきことを考えたならば、そこに優先順位を付け、それを守らなければならない。」
経営者の条件P4

優先順位をつけるという作業は、集中するためです。
では、なんで集中なんでしょう。
あれこれやってはいけない理由は?

いろいろあると思いますが、一日は24時間しかなく、しかも平等に与えられるからというのが理由のひとつだと思います。
能力のある人が、36時間
能力のそれほどない人が8時間しかなければ、集中する必要がありません。

ところは、時間だけは、24時間で平等です。
能力が多少劣っても、集中すれば、能力に圧倒的な差がない限り、追い付き追い越すことが可能だからでしょう。

「集中が必要なのは仕事の本質と人の本質による。いくつかの理由はすでに明らかである。貢献を行うための時間よりも、行わなければならない貢献のほうが多いからである。」
経営者の条件P138

「成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。」
経営者の条件P138

「1年間はQSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに取り組んでほしい。それ以外のことは何もやらなくていい」という発言は、こうしたセオリーに忠実だったということですね。

しかし、最も重要なこと以外は何もやらないという決断はとても勇気がいると思います。
普通は、勇気がなくて妥協してしまうでしょうね(苦笑)

そんなとき、思いだして欲しいのがコレ
「集中とは、『真に意味のあることは何か』『最も重要なことは何か』という観点から時間と仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。この集中こそ、時間や仕事の従者となることなくそれを主人となるための唯一の方法である。」
経営者の条件P152

さて、あなたは、最も重要なこと以外は何もやらないという決断ができるでしょうか?

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Posted by ohbayashiblog at 07:07│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ドラッカーの名言に学ぶ | 注目の会社