2008年07月25日

倒産は、頭隠して尻隠さず!

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由

ジャスダック上場の中堅ゼネコン、三平建設が民事再生7月24日に民事再生というニュースが入ってきました。
今年は、ホント
上場会社の倒産が多いね。
早速、決算書を入手しました。
定番ともいえる手法で倒産原因を探ってみましたが、「おや?」ということに…
運転資金のサイクルを見てみると
73日(平成19年3月期)
13日(平成20年3月期)
推定値ながら、改善しているのです。
しかも、売上の27日分に相当する現預金があります。
十分とはいえないまでも、倒産の法則から外れている。
そこで、もう一度、倒産理由をみてみました。
帝国データバンクによると、取引先のケイ・エス・シーに約6億円、興大に対し約14億2600万円の不良債権が発生とありました。
確かに、年間売上の半分に相当する不良債権
これが回収不能であるならば、ツライ
でも、有価証券報告書には、ケイ・エス・シーの名前も、興大の名前も出ていません。
相手先は、大京とかダイア建設とか、名前が知られたところ。
有価証券報告書を見ても、会社が倒産するような多額な不良債権が発生するというのは、予想が出来ないのです。
ところが、頭隠して尻隠さずなんですね。
注意深く見ると、妙な注記がありました。
「東洋ホームは破産手続開始決定を受けておりますが、当該工事に係る土地及び建設中の建物については、子会社である三平地所が取得し事業を継続しております。」
なに言ってるのか、よくわかんないけど(微笑)
子会社に何かを押し付けている印象
会社の規模からして、企業グループの存在は、無視していいレベルだと思っていましたが、あらためて連結決算書を見てみました。
運転資金のサイクルに着目すると…
84日(平成19年3月期)
72日(平成20年3月期)
いずれも推定値ですが、平成20年3月期は、売上の27日分の現預金しかありません。
結局、子会社に何かを押し付けて、単独はそこそこ数字がまとまっていたけど、全体でみると資金繰りは楽じゃなかったということですね。
決算書をみるときは、妙な注記にご注目ということです。
倒産は、頭隠して尻隠さずとも言えますね。
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Posted by ohbayashiblog at 07:07│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 時事ネタでビックリ箱! | 税務会計をもっとカンタンに!

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