2006年01月15日

マンションの耐震偽装にとどまらず、今度は脱税指南とは…




投資向けマンション販売会社 脱税指南で購入促す 架空経費計上し不正還付
「節税効果」を売り物にした個人向けの投資用ワンルームマンションの販売が過当競争になる中、東京都新宿区のマンション開発業者が、購入者に架空経費の計上による所得税の不正還付を指南していたことが関係者の話で分かった。
関係者によると、この業者はマンション購入者に、室内を修繕したとする架空の領収書を提供したり、本来必要のない経費を計上するなどして、必要経費を過大に装う手口をアドバイスしていた。(産経新聞)
マンションを売るために耐震偽装をしたかと思えば、こんどは脱税指南ですか
もっとビックリなのは、脱税指南を受けた顧客のほとんどが、公務員や教員だったそうです。
こういう方が、国民が払っている税金を実質的に預っていたり、教壇に立っているというのは恐ろしいですね
税法上、不動産所得を申告する際に、ローンの金利や建物部分の減価償却費は必要経費として収入から差し引くことができます。
脱税は、もちろんいけませんが、建物の減価償却でいつも疑問に思っていることがあるんです。
この建物部分の減価償却費なんですが、耐用年数が税法上決まっています。
この税法で決められた耐用年数に例外的な取扱はあるものの、原則として税法が変わるか、建物を取り壊すまでゾンビのように追いかけてくるのです。

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築年数20年を経過した建物の外装を流行にあわせてタイル張りに変更したとします。
耐用年数が50年だとすると残りは30年。
だから30年で減価償却?
いえいえ、違うんです。
また新たに50年で償却です。
まさしくゾンビそのものですね。
築年数が20年経過した建物に50年の償却が新たに加わるような形になりますが、大規模な改修(難しい言葉で言うと資本的支出に該当する場合をいいます)をしたことによって、建物の寿命がまた50年延びるのでしょうか?
とてもそうは思わないのですが。
鉄筋コンクリート造のような堅ろう建物の場合、取得価額の5%相当額まで減価償却をしていると耐用年数について例外的な扱いがあるのですが、50年後小生は100%税理士業をやっていません。
そんな先のことは知るかという感じですよね。
ゾンビになって生き返ろうかな
日本は、地震国ということもあるのですが欧米のような古い建物が残らない原因もこの辺にあるのではないかと思います。
大規模な改修をしてもまた50年で償却するのであれば、改修なんかやめちゃえ
あらたに作り直しちゃえ
ということになるのではないかと思います。
もう少し脱線すると改修なんかやるつもりなんかないから、最初から鉄骨抜いちゃえなんてことになるんじゃないでしょうか?
耐震偽装の遠因もこのへんにあるんじゃないかと考えたりするんですよね。

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Posted by ohbayashiblog at 15:42│Comments(7)TrackBack(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 時事ネタでビックリ箱! 

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この記事へのコメント
大林先生

TBありがとうございました。耐用年数と、税金のお話は非常に面白いですね。勉強させて頂きました。

これからもよろしくお願いいたします。
Posted by 箕輪 at 2006年01月15日 16:16
TBありがとうございます。
減価償却と税金の問題は、
確かに、おかしいですね。
ただ、欧米のように古い建物が
残らないのは、地震国で
あるからではなく、土建屋が
儲からないからという一面も
あると思います。しっかりした
作りでまともな修繕をすれば、
100年近く持つのでは、
ないのでしょうか?
Posted by イプサム at 2006年01月15日 17:21
トラックバックを有り難うございます。
明日、ヒューザ社長の証人喚問ですが、どうなるんでしょうね。

政界に激震!?
Posted by 大滝三千夫 at 2006年01月15日 17:36
5
大林先生、こんばんは♪

SUPERプラス思考↑不死身の公認会計士 伊豆川裕之 です。

そうだそうだ〜改修なんてやめて、全部壊して作りなおせ〜〜

そっちのほうが景気が上昇するぞ〜

応援クリック、ポチッと!
Posted by SUPERプラス思考↑不死身の公認会計士 伊豆川裕之  at 2006年01月15日 20:41
5
大林先生こんばんわ!
この脱税指南の手口、以前大事件になったプロ野球選手の脱税指南と同じ手口ですね。
浮世ばなれしている野球選手ではなく、脱税したのが公務員や教員だったというのが嘆かわしい。。。
Posted by kimutax@「税金まにあ」 at 2006年01月15日 22:21
5
大林先生この度は読者登録ありがとうございます

「ナレーターコンパニオンが税理士事務所開業」のサラダでございます

先生のブログスゴイ!!
またじっくりと読ませて頂きます!
Posted by サラダ at 2006年01月16日 00:45
耐用年数は実情にあっていない気がします。流すぎます
Posted by ママさん税理士 at 2006年01月16日 09:17

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